新作ベアのファーリィ・クーヘンです。
完成までお時間がかかったこの子。完成が近づくにつれ、もしかしたらこの子はコンテストベアとして温存しようかしら、、、という気持ちが大きくなりギリギリまでお披露目をしようか迷っていました（笑）それほどこの子に特別な魅力を感じています。
2023ドイツ開催テディベアトータルの現地で買い付けてきた柔らかなアプリコットカラーのドイツ製モヘアを使用しています。
フワフワのモヘアに合わせて、優しくて思いやりのある表情を目指したこの子。ドイツ製の特別な素材という事もあって。テディベアトータルのGeorgeベアと対になるようなテーマを持っていました。Georgeとは真逆の存在として柔らかくて優しいイメージです。
とっても愛らしい穏やかな眼差しが大変魅力的な子に誕生しました。この目元は瞼加工のお目目に薄っすらと二重気味になるように加工しています。
可愛らしいこの毛並みはまるで赤ちゃんの猫っ毛の様に細くて繊細なのでとても絡まりやすい材質です。フワフワを保ちたい部分はときどき櫛でとかしてあげると風合いを保つことが出来ます。少々手間の掛かる素材ですがこの自然体な雰囲気も可愛らしく感じて全体の毛並みは長めに仕上げています。
とっても存在感のあるSugar Pumpkinsベア、
ファーリィちゃんです。
今回、ドイツ買い付けモヘアの魅力的な風合いを活かしたくて単色のみのベアちゃんに仕上げました。
お手手の先やマズルはアルパカを手染めして色味を合わせています。
単色のベアは印象の薄い子になってしまいそうで。特別な魅力を放つ為にとても難儀しました。
やはりオーソドックスなテディベアというものはとっても奥深く、難しいのです。コンテストベアであるGeorgeの事も意識していたので。Georgeは凛々しい強い眼差しで仕上げたので。ファーリィはともかく柔らかくて優しくて。
お顔や表情だけでこの子の性格や性質が伝わるような魅力を引き出せたらと感じていました。
最初は上手くいかなくて上手くいかなくてなかなかこの子が降りてきてくれなかった。
ですが、ある日突然、バチッと！！来たのです。降りてきた！これだっ！！て雰囲気が掴めてきて。
そのまま何物にもとらわれずお顔を仕上げていきました。
個人的にとても気に入った子に仕上がってきたので、実は最後の最後までこの子をコンテスト用として今回は温存してお披露目を見送ろうかと考えていました。
けれど、今年はお家探しの年として学びをたくさん得る事が目標だったこと。 こんな私のベアをお迎えしたいなと待ちわびてくださる方もいる事。様々考えて、やはりお家探しをしようと考えました。
お家探しをしたベアたちは、ご主人様たちから頂いたお写真の通り、本当に幸せに暮らしているんです。
これこそがベアたちの本当の幸せだと感じています。人生を生きているんだなって。これは私のものではなく、この子たちが愛してもらえる場所が出来たらこの子たちの人生なんだ。そんな風に感じて、お家探しをしないということは、私がこの子たちの可能性を奪ってしまうようにも感じてしまいます。
ご縁は一人だけなので。そのタイミングはいつなのかは誰にもわからないことです。もしかしたら個展や展示販売をする機会に恵まれて、ベアたちとまだ見ぬ誰かが出逢えるご縁がずっと先にもあるかもしれません。
ちゃんと導いてあげられる様に色々出来ることをこの子たちの為にしてあげたいです。